【カイロ時事】すさまじい爆風の直後、窓ガラスの破片やがれきが路上に散乱し、街頭の至る所に流血した市民がたたずむ。レバノンの首都ベイルートで4日起きた大爆発。現場近くの建物は骨組みだけを残して吹き飛び、まるで爆弾テロ後のようだった。「死ぬかと思った」。市民は恐怖におののいた。
 「火の玉が見えて煙が押し寄せ、血を流した人々が叫びながら走っていた。建物のバルコニーも吹っ飛んだ」。ロイター通信は、爆発と衝撃のすさまじさを物語る市民の証言を伝えた。爆発時の映像では、「キノコ雲」のような巨大な煙が周囲を覆い、被害は首都のほぼ全域に及んだもようだ。爆発音は、地中海を挟んで約200キロ離れた島国キプロスでも聞こえたという。
 窓ガラスの破片などによる切り傷も含め、数千人規模の負傷者が出たものの、レバノンでは新型コロナウイルス感染拡大の影響で医療が逼迫(ひっぱく)。病床も不足し、インターネット交流サイト(SNS)には、負傷者の治療が追い付かず、病院で追い返される例もあると投稿された。
 現地の赤十字はツイッターで「全ての血液型で緊急に献血をお願いしたい」と要請。政府も、コロナ感染防止のため6日から予定していた都市封鎖の中止を余儀なくされた。 
〔写真説明〕4日、爆発が起きたレバノンの首都ベイルートで、がれきの中を歩く負傷者(AFP時事)
〔写真説明〕4日、レバノンの首都ベイルートで起きた爆発の負傷者を運ぶ消防隊員(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)