【カイロ時事】レバノンの首都ベイルートで8日、港湾地区で4日に起きた大規模爆発を受けた反政府デモが行われた。数千人の市民が、爆発は長年の当局の怠慢や汚職体質が原因だと抗議し、政府の退陣や政治刷新を要求。催涙ガスやゴム弾で鎮圧を図った警官隊と衝突した。現地からの報道によれば、700人以上が負傷、警官1人が死亡した。アブデルサムド情報相は9日、一連の混乱の責任を取る形で辞任を表明した。
 抗議デモは「報復の土曜日」と名付けられ、首相府にも近い首都中心部の広場に市民が集結。「政府は人殺しだ」「早く辞職しろ」と気勢を上げ、周囲の建物に放火して暴徒化した。一部は外務省など複数の政府庁舎、銀行協会本部を一時占拠し、衝突で実弾が使われたとの情報もある。
 ディアブ首相は8日、「早期に議会選を行わなければ、国家の構造的危機を克服できない」と演説し、内閣で選挙前倒しを検討する方針を示した。ただ、権力均衡のために議会の議席配分が宗教・宗派ごとに事前に決められていることが腐敗の温床との不満も根強く、市民が求める変革につながるとは言い難い。抗議活動が収束するかは不透明だ。 
〔写真説明〕8日、ベイルートで、治安部隊に投石するレバノンのデモ隊(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)