【モスクワ時事】9日投票の旧ソ連構成国ベラルーシの大統領選は即日開票され、10日の中央選管の発表によると、現職のアレクサンドル・ルカシェンコ大統領(65)の得票率は80.08%で6選を決めた。注目された反政権派の女性候補、主婦のスベトラーナ・チハノフスカヤ氏(37)の得票率は10.09%と発表された。首都ミンスクでは9日夜(日本時間10日未明)、ルカシェンコ氏6選に反発する抗議活動が行われ、市民と治安部隊が衝突。人権団体によると、1人が死亡した。混乱が続く恐れがある。
 タス通信によれば、ベラルーシ内務省は死亡情報を否定した。ミンスクの衝突では、治安部隊が閃光(せんこう)弾やゴム弾などを使用し、多数の負傷者が出た。
 政権は抗議活動を徹底して封じ込める構え。内務省は10日未明(同午前)、「警察は状況を制御している」と発表した。抗議活動は首都以外でも行われ、内務省によると、全土で約3000人が拘束された。
 強権統治を続けるルカシェンコ政権は選管当局を影響下に置いており、選挙は公正性が疑問視されている。投票率は約84%だった。大統領任期は5年。
 AFP通信によれば、数万人規模の選挙集会を開くなど支持を広げていたチハノフスカヤ氏は10日、ミンスクで記者会見し「私が勝者だと考えている」と選挙結果を拒否する考えを表明。「政権はわれわれに平和的に権力を引き渡す方法を考えるべきだ」と対決姿勢を示した。
 1994年から26年間にわたって君臨し「欧州最後の独裁者」とも呼ばれるルカシェンコ氏は今回の大統領選では、かつてない逆風に見舞われた。長期政権への不満や新型コロナウイルスをめぐり積極的な対策を取らなかったことへの反発が拡大していた。政権は有力対抗馬の出馬を排除したり、チハノフスカヤ氏の陣営幹部を拘束したりするなど、なりふり構わず反政権派を弾圧した。 
〔写真説明〕9日、ミンスクで、デモ隊を解散させようとするベラルーシ治安部隊(AFP時事)
〔写真説明〕9日、ベラルーシ・ミンスクで大統領選の投票所に到着したルカシェンコ大統領(EPA時事)
〔写真説明〕10日、ミンスクで記者会見するベラルーシ大統領選の反政権派候補スベトラーナ・チハノフスカヤ氏(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)