77人が犠牲となった広島市の土砂災害は20日、発生から6年を迎えた。甚大な被害が出た安佐北区では、地元の新建自治会が主催する追悼献花式が開かれ、犠牲者の冥福を祈った。
 式には遺族や住民が参列。同自治会会長の野地茂さん(69)は開式のあいさつで「6年前の豪雨災害を思い起こし、命を落とさないよう、早めの避難や日頃の備えで命を守る決意をしている」と述べた。
 松井一実市長は追悼の言葉で「発生した災害を尊い記憶として胸に刻み、二度と起こさないという誓いのもと、地域の皆さまと一丸となって災害に強い町づくりに向けた対応をしっかりやっていく」と誓った。
 遺族代表として献花した宮本孝子さん(80)は土砂災害で夫と自らの左脚を失い、現在もリハビリを続けている。式後の取材で「月日がたつのは早い。(土砂災害を)心に留めて、これからは自分らが助かる方法を考えてほしい。誰もこういう気持ちになることがないように」と呼び掛けた。
 広島市は、安佐南、安佐北両区役所などに献花台を設置。夜にはろうそくをともす住民主催の追悼行事などが開かれ、地域住民らが犠牲者をしのんだ。
 広島市北部では2014年8月20日未明、集中豪雨で土石流や崖崩れが多数発生した。災害関連死3人を含む77人が死亡し、住宅396棟が全半壊するなど大きな被害が出た。
 災害後、国と県、市が策定した計画に基づき、砂防ダムなど土砂災害対策施設の整備が進められ、今月7日までに全99カ所が完成した。 
〔写真説明〕土砂災害の発生から6年を迎え、献花する遺族代表の宮本孝子さん(手前左)=20日午前、広島市安佐北区
〔写真説明〕土砂災害の発生から6年を迎え、黙とうする遺族や住民ら。右端は松井一実広島市長=20日午前、広島市安佐北区

(ニュース提供元:時事通信社)