【ワシントン時事】米疾病対策センター(CDC)が新型コロナウイルス対策で、感染者と濃厚接触後も症状が出ていないなら、必ずしも検査は必要ないとする見解を示し、波紋を広げている。無症状の感染者からのウイルス拡散を助長しかねないと、専門家は懸念。検査で陽性と診断された「統計上の感染者数」を抑え、感染規模を小さく見せようという政治的思惑を指摘する声も上がっている。
 CDCは従来、コロナ対策として公表する指針の中で、感染者から約1.8メートル以内に15分以上いた場合は、症状がなくても検査を受けるよう勧めていた。ところが、今週改定された指針は「(高齢や持病があるなど)重篤化しやすい人や、州・自治体当局から勧告された人でない限り、必ずしも検査を受けなくていい」と記している。
 ジョージ・ワシントン大のウェン教授(公衆衛生学)は26日のCNNテレビで、職場で感染者と濃厚接触した人が家族を守るために検査を望むケースもあると指摘。「そういう(無症状の)人こそ、まさに検査を受けるべきだ」と述べ、CDCの措置を批判した。
 米医師会も声明で「無症状でも感染者と接触したと分かっている人に検査不要と言うのは、ウイルス拡散と感染急増への道だ」と批判。「厚生省とCDCは、指針変更の合理的根拠を示す必要がある」と主張した。 

(ニュース提供元:時事通信社)