非常に強い台風10号の接近に伴い、上陸の恐れがある九州地方に拠点を置く企業が警戒を強めている。従業員の安全確保のため、週末を挟み工場の稼働や荷物集配の休止を事前に決める動きが相次いでいる。
 コンビニエンスストア大手のセブン―イレブンでは、九州地区の約1000店舗が5日から順次計画休業に入る。同地区の全店舗の4割超に当たる。ローソンも同様に計画休業の方針を決めており、ファミリーマートも状況に応じて営業休止を判断するとしている。
 サントリー九州熊本工場(熊本県嘉島町)は6、7両日の臨時休業を決め、台風の状況を見極めながら8日に操業再開の予定だ。土日がもともと休みのサッポロビール九州日田工場(大分県日田市)では、7日は従業員全員を自宅待機とする。
 眼鏡レンズ原料を手掛ける三井化学の大牟田工場(福岡県大牟田市)は、台風通過後に早期に挽回可能なものに関しては製造をいったん休止する方向。キヤノンは大分、長崎、宮崎各県にある計7工場で7日の生産を停止する。東芝グループのジャパンセミコンダクター大分事業所(大分市)は6日夜から出勤人数を絞る。
 自動車業界では、ホンダが熊本製作所(熊本県大津町)の7日の稼働を見送る。福岡県にある日産自動車とダイハツ工業のグループ2工場は、7日以降の稼働について6日に判断する。自動車各社は新型コロナウイルス流行に伴う減産から立ち直りの途上にあり、「ここで生産に影響が出るのは痛い」(自動車大手)との声も出ている。
 ヤマト運輸と佐川急便は6、7日を中心に九州地方などで荷物の集配を行わない。JR西日本は山陽新幹線の広島―博多間で7日、終日運転を取りやめる可能性があると発表。物流や交通にも大きな影響が出そうだ。
 家電量販店大手のビックカメラは福岡、鹿児島両県にある3店舗に関し、近隣に住む従業員を中心に出勤させることを決めた。 

(ニュース提供元:時事通信社)