九州を中心に被害をもたらした台風10号。当初は特別警報級の勢力として警戒が呼び掛けられたが、想定より早く勢力が弱まったことで、特別警報の発表は見送られた。
 台風による暴風や高潮、波浪の特別警報は1959年の伊勢湾台風級の中心気圧930ヘクトパスカル以下、最大風速50メートル以上を基準として発表される。
 10号は例年より高い海面水温の影響で急速に発達。九州近海の水温は低いものの、基準に達する可能性があると予想され、気象庁は2日以降警戒を呼び掛けた。しかし、接近した10号は想定よりも早く衰え始め、結果的に基準を下回った。
 10号は日本付近に張り出した太平洋高気圧の縁を沿って九州西岸に進行。偏西風が北向きに蛇行した影響もあり、あまり陸に近づかず北上した。
 特別警報は見送られた一方で、大雨などは予測から大きく外れなかった。宮崎県美郷町では48時間雨量が595.0ミリと、平年の9月分を上回る雨量に。長崎市・野母崎では最大瞬間風速59.4メートルを観測し、鹿児島県奄美市では潮位が220センチとなり高潮警報の基準を上回った。
 懸念された大きな河川の氾濫は起きなかった点について、気象庁天気相談所の立原秀一所長は「大雨は降ったが、広範囲で降らなかった影響かもしれない」と推定。予報内容を振り返り、今後に生かしたいとした。 

(ニュース提供元:時事通信社)