【ニューヨーク時事】グテレス国連事務総長は9日、オンラインで日本メディアと会見し、米国と中国が「世界経済を二つに分断するリスク」があると警告し、米中の対立激化に強い危機感を示した。その上で、米中や日欧をはじめ国際社会に、すべての国が尊重するルール策定に向けた交渉を促した。
 グテレス氏は、米中がそれぞれ貿易などのルールや支配的な通貨、人工知能(AI)戦略を持つことで、世界経済が分断する可能性を指摘。対立が深まれば「戦略地政学上や軍事分野で競争激化につながるのは不可避」と述べ、軍事的衝突に発展する危険性も訴えた。
 また、新型コロナウイルス流行や気候変動など世界が「劇的な脆弱(ぜいじゃく)性」に直面する中で、「全員が尊重する明確なルールをつくるために、米中間のほか欧州、日本などを巻き込んだ真剣な交渉を行うことが重要だ」と述べた。「世界には国際関係の完全な分裂に対応する余裕はない」と述べ、相違は交渉で乗り越えるよう呼び掛けた。 

(ニュース提供元:時事通信社)