10月1日から「Go To トラベル」の対象に東京発着の旅行が追加される。旅行会社には利用客から問い合わせが相次ぎ、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、苦境に陥っていた業界関係者からは需要押し上げ効果を期待する声が上がった。ただ、大規模イベントの参加人数制限をめぐっては一部緩和されるものの、不十分だとの不満も漏れる。
 「東京は発着ともに利用客が圧倒的に多い。追加されれば利用者は相当増えるだろう」。旅行大手関係者は強い期待を寄せた。別の旅行会社の担当者は「(東京追加の)報道が出始めた10日ごろから、都内在住者からの問い合わせが増えた」と語り、早くも手応えを感じている。
 宿泊業界も歓迎ムードだ。東京からの旅行客が多い栃木県那須塩原市のホテルは「東京除外の影響で利用が伸び悩んだ」とみており、10月以降の巻き返しを狙う。茨城県のホテルは「都民かどうかで対応を変える悩みがなくなる」と、接客での負担が減ることに一安心した様子で語った。
 旅行業や宿泊業の経営環境は厳しい。東京都内のホテルの担当者は「稼働率が2割程度の状況が続いており、都外からの集客のきっかけになってほしい」と話す。
 大規模イベントの参加人数制限では「5000人まで」との条件が撤廃される。チケット販売大手は「遅過ぎたがほっとした」と話す。
 もっとも、収容定員の50%までという制限は残る。事業者の多くは「大規模会場でのライブなどは到底採算が合わない」と不満を隠さない。屋内での古典芸能などでは人数制限がなくなるものの、歌舞伎座を運営する松竹は「観客が安心して観劇できる状況になるまでは、客席数を半分以下に抑えるなどの措置は続ける」との方針を示している。 

(ニュース提供元:時事通信社)