活発化しつつあった日本企業のアフリカ進出が、正念場を迎えている。新型コロナウイルス流行で渡航が困難となり、現地の活動は停滞。さらに、民間企業のアフリカ進出を後押ししていた安倍晋三首相が突然退陣した。「政治的な推進力が失われかねない」(開発コンサルタント)と、懸念の声も上がる。
 「最後のフロンティア」として、アフリカはコロナ流行前、世界から投資を集めて堅調な成長を遂げていた。安倍首相は2019年8月、横浜市で開催されたアフリカ開発会議(TICAD)で、「日本企業のアフリカ進出を助けるため、あらん限りの策を講じる」と訴えた。政府の旗振りに応じ、アフリカ事業への関心も増していた。
 ところがコロナ感染拡大で、多くの日本企業がアフリカから駐在員を引き揚げた。既にアフリカで事業展開し、現地のネットワークも十分な欧州や中国などの企業はビジネスを続けている。コンサルティング会社クニエの平林潤氏は「コロナをきっかけに、アフリカで日本のプレゼンスが下がるのは間違いない」と危機感を募らせる。
 こうした中、日本国内ではアフリカビジネスに関するオンラインセミナーが盛況だ。国連工業開発機関(UNIDO)が16日行ったナイジェリアのセミナーには企業関係者ら約160人が参加した。
 「ナイジェリアはアフリカ最大の人口と経済規模を擁する。50年までに人口は世界3位になる」と、同国投資促進委員会のサディク長官が投資先としての魅力を熱弁。参加者はチャット機能を通じて電力・通信環境や輸入規制などを次々と尋ねた。
 UNIDO関係者は「オンライン化でセミナー参加者が増えた」と、手応えを口にする。
 日本貿易振興機構(ジェトロ)では9月から来年1月まで、医療や環境など4分野でアフリカオンライン商談会を開催。コロナ下でも日本企業とアフリカ企業のマッチングを図る。ジェトロの窪田修理事は「日本企業のアフリカビジネスへの熱量は衰えていない」と力を込めた。 
〔写真説明〕国連工業開発機関(UNIDO)が16日行った、ナイジェリアビジネスのオンラインセミナー(UNIDO提供)

(ニュース提供元:時事通信社)