【カイロ時事】8月の大規模爆発後の混乱で内閣が総辞職したレバノンで、各政治勢力の駆け引きや宗派対立が激化し、組閣が難航している。旧宗主国フランスは今月1日に「2週間以内」の組閣を求めたが、既に期限は切れた。新政府発足と政治改革が遅れれば、国際社会の復興支援も滞る恐れがある。
 爆発後に開かれたレバノン支援国際会合では、2億5000万ユーロ(約310億円)超の拠出が決まった。ただ、支援を主導するマクロン仏大統領は「白紙の小切手は渡さない」と強調。政治指導者らへの制裁の可能性も示唆し、レバノン国民の不満が強い汚職体質の刷新や改革遂行が支援の条件になるとくぎを刺した。
 新首相に指名されたアディブ氏は「迅速な組閣と改革」を公約した。地元メディアによれば、アディブ氏は各勢力に財務や国防など主要4閣僚の輪番制を提案し、既得権益の分散を図ろうとしている。これに対し、イランが後ろ盾のヒズボラなどイスラム教シーア派勢力は財務相ポストの維持に固執。交渉はこう着している。
 世界銀行の試算では、首都ベイルートの大爆発の物的被害は最大46億ドル(約4820億円)。深刻な経済危機と新型コロナウイルスの感染拡大も重なり、国際支援は急務だ。アディブ氏は17日、「困難に直面している。時間の余裕はなく、皆の協力が必要だ」と危機感を示した。 

(ニュース提供元:時事通信社)