【ロンドン時事】石油の時代は終わる―。英石油大手BPは将来のエネルギー需要に関する今年の報告書の中で、「石油の需要は今後30年間で減少する」との見通しを示した。「スーパーメジャー」と呼ばれる国際石油資本の一角を占めるBPが、長年エネルギーの主役を担ってきた石油の需要減退を見込むのは極めて異例だ。
 BPは14日に公表した報告書で、2050年までを想定して(1)温室効果ガス排出量が実質ゼロとなる(2)実質ゼロにならなくても再生可能エネルギーへの移行が急速に進む(3)取り巻く環境が現状のまま変わらない―の三つのシナリオを基に石油需要を予測した。
 その結果、温室効果ガスの実質ゼロを達成する場合は約80%、再生可能エネルギーに移行する場合は約50%、石油需要が18年時点から減少し、「新型コロナウイルスの感染拡大で見舞われた急激な需要減少が完全に回復することはない」と指摘した。取り巻く環境が現状と変わらないケースでも需要は18年時点と同じ水準で頭打ちとなり、50年時点では約10%減少するという。
 石油需要は1970年代に発生した2度の石油ショックや金融危機などで一時的に落ち込む局面はあったが、これまで右肩上がりで伸びてきた。しかし、今後は世界人口が増え、経済が成長しても、脱炭素社会の到来で「太陽光や風力などの再生可能エネルギーが主流となる」と分析した。
 BPのルーニー最高経営責任者(CEO)は今年2月、「資源を採掘する国際石油会社から総合エネルギー会社に転換する」と表明し、再生可能エネルギーへの投資を増やす考えを示していた。一方、主要産油国で構成する石油輸出国機構(OPEC)は19年時点の予測で、40年までに石油需要は10%超伸びると見込んでいる。 
〔写真説明〕北海のクレアリッジ海底油田で英石油大手BPが運営する掘削施設=2018年3月、BP提供(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)