【香港時事】21日付の香港各紙は、香港国家安全維持法(国安法)違反が疑われる取引に気付いた銀行には、関係当局への通報が義務付けられると報じた。マネーロンダリング(資金洗浄)やテロ資金への対処に関する手引を香港金融管理局(中央銀行に相当)などが9月末に改定、国安法に関する条項を追加した。手引に法的拘束力はないが、地場銀行だけでなく香港に拠点を置く国際銀行にも順守が求められている。
 6月末に施行された国安法の規定にのっとり、銀行から「疑い例」の通報があった場合、捜査当局が必要と認めれば令状なしで顧客情報開示を求めることが可能だ。手引は「薬物や組織犯罪に関する取引を発見した際と同様の対応」を求めている。
 しかし、銀行側は「顧客が国安法に違反しているか、報道でもされていない限り見極めるのは困難だ」と困惑する。香港紙・信報によると、香港で資金洗浄など不審な取引に関する通報は2017年には9万件を超えていた。国安法に関しても「通報の乱発を招く」と懸念されている。 

(ニュース提供元:時事通信社)