建設現場でアスベスト(石綿)を吸い込み、健康被害を受けたとして、神奈川県の元労働者ら約80人が国と建材メーカーに損害賠償を求めた訴訟の上告審弁論が22日、最高裁第1小法廷(深山卓也裁判長)であり、結審した。判決期日は後日指定される。
 同種訴訟は最高裁で他に4件が係属中だが、弁論が開かれるのは初めて。石綿が肺がんなどを引き起こす危険性を国がいつ認識したかや、メーカーの責任などで二審の結論が割れており、判決で判断が示される見通し。
 原告側は、国の責任は石綿の医学的知見が確立した後の1975年から、製造が全面禁止された2006年までと主張。メーカーについても「警告義務を果たしていれば、深刻な被害は回避できた」と責任があると強調した。
 原告の古野正行さん(75)も意見陳述し、「いつ肺がんの症状が重くなって人生を終えるのかと、不安で仕方ない」と訴えた。
 一方、国側は「状況に応じた措置を講じていた」と反論。メーカー側も「安全配慮義務を履行すべきなのは事業者だ」などと述べた。 
〔写真説明〕建設アスベスト訴訟の上告審弁論のため最高裁へ向かう原告ら=22日午後、東京都千代田区

(ニュース提供元:時事通信社)