新型コロナウイルス感染が疑われる人の相談・受診方法が変わる。従来は保健所などに設置された帰国者・接触者相談センターに電話したが、まずは最寄りのかかりつけ医などに電話する。厚生労働省は今月中の移行を目指すが、検査・診療を担当する医療機関には風評被害への懸念もあり、移行に時間がかかる自治体もあるようだ。
 厚労省は9月4日、新型コロナとインフルエンザの同時流行に備えた新体制を整備するよう都道府県に通知した。発熱などの症状がある人は、診療科目に限らず、かかりつけ医など身近な医療機関に電話する。対応できない医療機関は、都道府県が指定する「診療・検査医療機関」を紹介する。休日・夜間や、かかりつけ医がいないなどの場合は、同センターなどが衣替えした「受診・相談センター」に連絡すれば、指定機関が紹介される。
 コロナ感染の第1波(1~5月)では、保健所に相談電話が集中し、患者が検査や診療を迅速に受けられない「目詰まり」が問題になった。新体制下では、症状で区別が難しい二つの疾病が同時流行し発熱相談が激増した場合でも、窓口の分散化でこうした停滞を防ぐ。
 岐阜県では今月14日、新体制の運用がいち早く始まった。約1700ある医療機関のうち約400カ所が指定機関に選ばれており、県感染症対策推進課の担当者は「医師会などの協力がスムーズに得られたのが大きい」と話す。
 都道府県は、地域の医師会などの合意があれば指定機関をホームページ上で公表できる。ただ、公表に二の足を踏む医療機関も多く、岐阜県でも約90カ所にとどまる。この担当者は「患者の押し付けや風評被害への懸念があるようだ」と説明する。
 移行期限が迫る中、多くの自治体では、指定機関の選定や公表などの調整に時間がかかっているという。厚労省の担当者は「移行作業はおおむね順調」とした上で、「自治体には医療機関や医師会などと連携を密に取ってもらい、医療現場や住民の不安を取り除いてほしい」と話している。