【エルサレム、パリ時事】トルコとギリシャの沖合のエーゲ海を震源とする10月30日の地震で大きな被害が出たトルコ西部の都市イズミルでは1日も、複数のビル倒壊現場で救助隊による捜索活動が続いた。少なくとも数十人の被災者が、がれきの下になお閉じ込められているとみられ、無事救出できるか「時間との闘い」になっている。
 地震ではこれまでにトルコとギリシャで少なくとも64人の死亡が確認され、940人以上が負傷した。また、津波などの影響で住まいを失った人も多く、トルコのエルドアン大統領は「適切な場所に仮設住宅を設置し、市民が暮らせるようにする。食料を提供することもできる」と述べ、被災者への支援を約束した。
 トルコ西部イズミルでは地震により、集合住宅など約20のビルが倒壊した。現地の記者によると、うち2カ所の倒壊現場で、合わせて約60人ががれきの中に残されている公算が大きいという。捜索に際しては、余震もある中で崩落が進む危険があり、救助隊は慎重な作業を余儀なくされている。
 これまでに、がれきの中から100人以上が救出された。地震では一般的に、発生後72時間でがれきに閉じ込められた人の生存率が急減するとされ、11月1日の活動が正念場となる。
 一方、ギリシャの公営テレビERTは31日、トルコの沿岸に程近いサモス島で「小規模の津波」があったと報じた。映像では、海沿いの道路で自動車のタイヤがすっぽり漬かり、植木が流される様子が確認された。家屋の清掃作業に追われていた住民の男性はERTに対し「大惨事だ」と絞り出し、静かな島に起きた衝撃の大きさを語った。
 ギリシャ紙カティメリニ(電子版)によると、ミツォタキス首相は31日、サモス島を視察。地元自治体との対策会議に先立ち「まず知りたいのは被害の全体像だ」と強調した。 
〔写真説明〕10月31日、トルコ西部イズミルで、地震で倒壊したビルに閉じ込められた人を捜すボランティアと救助隊(AFP時事)
〔写真説明〕10月31日、トルコ西部イズミルで、地震で倒壊したビルの現場を訪れたエルドアン大統領(中央)=同国政府提供(AFP時事)
〔写真説明〕津波が引いた後のカフェ=10月30日、ギリシャ東部サモス島(EPA時事)
〔写真説明〕津波が引いた後に残された、倒壊した建物とがれきに押しつぶされた車=10月30日、ギリシャ東部サモス島(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)