政府は12日、新型コロナウイルス感染症対策分科会(会長・尾身茂地域医療機能推進機構理事長)の会合を東京都内で開き、全国的な感染拡大を踏まえ、大規模イベントの人数制限について来年2月末までをめどに継続することを決めた。尾身氏は記者会見で、感染状況が急速に悪化すれば、「Go To」キャンペーンの停止を政府に求める考えを明らかにした。
 各地の感染状況について、西村康稔経済再生担当相は会見で「大きな流行が来つつある」と述べ、「最大限の警戒」を呼び掛けた。現時点で緊急事態宣言を出す状況にはないとしながらも、感染増や病床不足が一層進めば、新型コロナ対策の特措法に基づく休業要請などが必要になると指摘。「それでもとどまらない場合、さらに強い措置ということになる」と警鐘を鳴らした。
 尾身氏も会見で、感染者が急増する状況を示す「ステージ3」に当たると判断すれば「『Go To』キャンペーンは当然停止だ」として、経済社会活動全般を制限するよう政府に求める意向を表明。「今が最後のチャンスだ」と感染対策の徹底を訴えた。
 この後、菅義偉首相は首相官邸で西村氏と田村憲久厚生労働相から感染状況に関する報告を受け、各都道府県知事と緊密に連携して爆発的な感染拡大を防ぐよう指示した。
 政府はプロスポーツなど大規模イベントの参加人数を段階的に緩和。今月末までの対策として上限を収容定員の50%に設定するなどしていたが、感染拡大の状況から来年2月末ごろまでの制限延長が必要と判断した。一方、飲食を伴う映画館での鑑賞などでは、会話時のマスク着用といった感染防止策の厳守を条件に満席を認めることとした。
 多くの人出が予想される正月の初詣は、三が日を避けた分散参拝を促し、参拝者に境内での食べ歩きを控え持ち帰りを勧めることで一致した。
 分科会では、クラスター(感染者集団)対策として在留外国人コミュニティーでの感染防止策を議論。専門家や関係省庁による対策チームを設置し、多言語での情報発信やSNSを活用した支援策を検討することを決めた。
 また、本格的な冬の到来を控え、寒冷地でも室内の換気や加湿が必要だと指摘。政府は今後、寒冷地でのさらに具体的な対策を検討する。 
〔写真説明〕記者会見する新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長(右)と西村康稔経済再生担当相=12日午後、東京都千代田区

(ニュース提供元:時事通信社)