【ニューヨーク時事】米製薬大手ファイザーは20日、開発中の新型コロナウイルスワクチンの緊急使用許可を米当局に申請した。米国でのコロナワクチンの申請は初めてで、来月にも接種が始まる可能性がある。先進国製ワクチンに期待が高まる一方、世界的な普及に向けては課題も残る。
 アザー米厚生長官は「数週間以内に食品医薬品局(FDA)の決定が出され、その後24時間以内に(ウイルスに対して)最も脆弱(ぜいじゃく)な人々向けに配布が始まる」と、今後の見通しを示した。ファイザーによれば、医療従事者などに限定した接種は来月半ばに始まる可能性がある。基礎疾患のない一般の米国人の接種は、来年4月以降になるとの当局者の見方が伝えられている。
 同社は、日本や欧州などでも承認申請に向けた準備を進めている。日本へは、来年6月末までに6000万人分(1億2000万回分)を供給することで政府と基本合意している。
 ファイザーのワクチンは、コロナウイルスの遺伝情報を伝える「メッセンジャーRNA(mRNA)」を体内に取り込んで免疫を作る仕組み。共同開発相手の独バイオ医薬品企業ビオンテックの技術を活用した。通常は数年以上かかるとされるワクチン開発だが、約8カ月という異例のスピードで当局への申請までたどり着いた。
 4万人以上が参加した最終段階の臨床試験(治験)では「95%の有効性」が示され、深刻な副作用も起きなかった。ただ、感染予防効果がどの程度続くかなど、今後の研究を待たなければ分からない部分も多く残されている。
 また、ファイザーのワクチンはセ氏マイナス70度前後でなければ長期保存ができない。このことが普及のネックになるとの指摘も出ている。