菅義偉首相は25日、来日している中国の王毅国務委員兼外相と首相官邸で約20分間会談した。首相は、中国公船による沖縄県・尖閣諸島周辺の領海侵入や、中国が統制を強める香港情勢に懸念を伝え、中国側の「前向きな対応」を強く求めた。同時に、安定した日中関係の重要性も訴えた。
 冒頭、首相は「両国の安定した関係は地域、国際社会にとっても重要であり、ともに責任を果たしていきたい」と呼び掛けた。日本産食品の輸入規制撤廃や、日本産牛肉の輸出再開、精米の輸出拡大に理解を要請。拉致を含む北朝鮮問題でも中国の協力を求めた。
 一方、王氏は会談後、記者団の取材に応じ、尖閣周辺海域での日本漁船の活動に触れ、日本側が「既存の共通認識を破壊した」と主張。こうした現状を改めることで「問題を沈静化させることができる」と語った。
 延期されている習近平国家主席の国賓来日に関する質問には直接答えず、2022年の日中国交正常化50周年が「重要な節目」と指摘。「強固な基盤を築き、良い環境をつくって両国関係のさらなる発展を促したい」と述べた。
 両氏は、新型コロナウイルス感染拡大で落ち込んだ経済の回復に向けた連携を確認。王氏は「感染症対策と経済回復で協力する用意がある」とする習氏のメッセージを首相に伝えた。日中両外相は24日、ビジネス関係者の相互往来を月内に再開することで合意している。 
〔写真説明〕中国の王毅国務委員兼外相(左)の表敬を受け、あいさつを交わす菅義偉首相=25日午後、首相官邸

(ニュース提供元:時事通信社)