【ロンドン時事】英政府は25日、8月に実施した飲食店支援策「イートアウト・トゥ・ヘルプアウト」の利用状況を公表した。日本政府が進める「Go To イート」の英国版と言えるが、大きな経済効果をもたらした一方、専門家からは新型コロナウイルスの感染再拡大を助長したとの批判が出ている。
 英歳入関税庁によると、1カ月の期間中に全国約5万店の計約1億6000万食で利用され、公費負担は8億4900万ポンド(約1200億円)に上った。この制度は8月の毎週月曜~水曜、1人当たり10ポンド(約1400円)を上限に、酒類を除く飲食代の半額を政府が肩代わりする内容だった。
 手軽に利用できることから人気を博し、8月の国内総生産(GDP)のうち飲食・宿泊業関連は前月比71.4%増と記録的な伸びとなった。業界団体UKホスピタリティーのケイト・ニコルズ会長はラジオ番組で「大成功だった。利用客の消費意欲を回復した」と絶賛した。
 これに対し、専門家からは批判も多い。ウォーリック大のティエモ・フェッツァー博士は、8月から9月上旬に発生したクラスター(感染者集団)の8~17%がこの制度に由来するとの分析結果を示し、「新規感染を大幅に増やし、感染第2波を加速させた」と非難。ケンブリッジ大のフラビオ・トックスバード講師も「この制度は飲食店を助けたが、感染拡大も助けた」とし、経済政策と感染対策との調整を行う必要があると指摘した。 

(ニュース提供元:時事通信社)