政府は2日、観光支援策「Go To トラベル」で、東京都を発着する旅行の利用自粛の要請を受けたキャンセルを無料とする方針を決めた。1日午後6時から13日までの解約申し出が対象。政府は旅行・宿泊事業者に対し、代金の35%を補償する。東京都が2日に開いた新型コロナウイルス感染症対策本部会議で報告された。
 都の会議に先立ち、加藤勝信官房長官は2日の記者会見で、キャンセル料の扱いについて「都と連携して検討している」と述べ、調整を急ぐ考えを示していた。政府は3日にも詳細を公表する。
 菅義偉首相と小池百合子知事は1日の会談で、65歳以上の高齢者や基礎疾患のある人を対象に、東京発着分の利用自粛を呼び掛けることで合意。都は自粛期間を、飲食店に営業時間短縮を要請している今月17日までとし、キャンセル料は政府が負担するよう求めていた。
 トラベル見直しをめぐり、小池氏はこれまで繰り返し、政府が判断すべきだと主張してきた。1日も記者団に「(詳細は)国で最終的な判断をしてもらう」と強調した。
 これに対し、加藤氏は2日の会見で「国が実施する事業であり、運用の最終的な判断は国が行う」としつつも、「知事の判断をしっかり踏まえてやっていく必要がある」と述べ、小池氏の対応を注視する考えを示した。
 札幌、大阪両市に関するトラベル見直しで、政府はキャンセル料負担などの方針を速やかに公表しており、都とは事前の調整不足が目立つ。一連の新型コロナ対応をめぐり、これまでも責任を押し付け合い、双方に不信感が募っていることが影響したとみられる。
 与党は、政府と都の対応を評価。自民党の森山裕国対委員長は記者団に対し、「首相と都知事がトップ会談で非常にいい結論を見いだした」と歓迎した。
 一方、立憲民主党の安住淳国対委員長は党会合で、首相の対応について「中途半端で無責任で、政治リーダーの決断として最悪だ。これで感染が拡大したら、まさに人災だ」と批判。国会などで引き続き追及する考えを示した。 
〔写真説明〕首相官邸に入る菅義偉首相=2日午前、東京・永田町

(ニュース提供元:時事通信社)