宮城県気仙沼市で3日、東日本大震災の伝承活動に携わる人を対象とした県主催の研修会が開かれた。民間団体や自治体、学術機関など15の団体から参加した23人は、同市で活動する「語り部」の話を聞き、熱心に質問していた。
 同県内では震災10年を前に、新たな震災遺構が整備されるなど伝承活動が広がっている。県による官民合同での研修会の開催は初めてで、研修を通じて伝承に携わる人のネットワークを広げ、課題やノウハウを共有することが狙い。
 この日は、同市の「震災遺構・伝承館」で70代の語り部の体験談に加え、佐藤克美館長から伝承活動に当たり、地域との連携や工夫について話を聞くなどした。夜は南三陸町の宿泊先でワークショップを開催し、参加者が交流を深めた。
 同県山元町で震災遺構として公開されている旧中浜小学校の運営に携わる同町生涯学習課の八鍬智浩さんは「山元町では震災で親族を亡くした子どもの心のケアを重視し、震災の話から遠ざけてきた。気仙沼では中高生が語り部として活動しており、今回参加して山元町でも検討してみようと思う」と話した。
 震災から9年以上にわたり、南三陸町などで伝承活動に取り組む阿部寛行さん(59)は「震災に関心を持つ人が減る中、語り部同士が結びつきを深めて意識を変えていかなければいけないと思い参加した。今回はとても良い機会だった」と振り返った。 
〔写真説明〕「気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館」で行われた震災伝承の研修会で話を聞く参加者と、語り部の三浦秋男さん(中央)=3日午後、同市

(ニュース提供元:時事通信社)