金融庁は8日、市場改革の一環で現在の「東証1部」に代わって創設される「プライム」(仮称)市場に上場する企業に対し、社外取締役の割合を3分の1以上とするよう求める方針を決めた。社外の監視の目を強め、経営の透明性を高めるのが狙い。金融庁・東証が策定した企業統治指針の改訂案を同日の有識者会議に提示した。来春の改訂を目指す。
 東証は、現在の1部、2部、マザーズ、ジャスダックの4市場を「プライム」「スタンダード」「グロース」(いずれも仮称)の3市場に見直す。2022年4月に運用を開始する計画だ。
 現在の企業統治指針は、上場企業に利害関係のない独立した社外取2人以上の起用を求めている。改訂案は、海外では上場企業に3分の1あるいは過半数の社外取を求める指針が多いと指摘。「プライム」企業には、3分の1にとどまらず、必要に応じて過半数の選任を検討するよう促すべきだとしている。
 現時点で社外取が3分の1以上の1部上場企業は約60%にとどまるが、有識者会議では原則賛成の意見が多数を占めた。
 また改訂案は、経営幹部に女性や外国人、中途採用者など多様な人材を起用する目標値を定めて公表するよう全上場企業に求めた。新型コロナウイルスの感染拡大後の社会変化に対応するためだ。取締役の能力と経験が多様であることを示す「スキルマトリックス」の公表も訴えた。
 企業統治指針は、上場企業の情報開示や社外取の起用で透明性を高めて投資家との対話を促し、企業価値の向上につなげるのが狙いだ。法的拘束力はないが、実行しない場合は理由を説明する必要がある。 

(ニュース提供元:時事通信社)