菅政権が推進する観光支援策「Go To トラベル」をめぐり、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は9日、感染急増などを示す「ステージ3」相当地域では事業を中止すべきだとの考えを示した。これに対し、加藤勝信官房長官は記者会見で「現時点においてステージ3に該当すると判断された都道府県はない」と述べ、事業を継続する方針を強調した。
 ステージ3は、4段階中2番目に深刻な状況を指すもので、尾身氏はこれまでに東京23区や大阪市などが相当するとの認識を示している。尾身氏は9日の衆院厚生労働委員会の閉会中審査で、「今の感染状況のときは中止した方がいいと再三申し上げている。早く感染を下火にして、『ステージ2』にして、しっかり感染を抑えてからやる方が国民の理解も得られやすいのではないか」と述べ、政府に方針転換を促した。
 政府は8日に決定した追加経済対策で、トラベル事業の延長方針を打ち出したばかり。首相自身が旗振り役となっていることもあり、事業停止には否定的だ。ただ、冬場の感染拡大に歯止めがかからなければ制度見直しを余儀なくされる可能性もある。 
〔写真説明〕新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長

(ニュース提供元:時事通信社)