2020/12/17
防災・危機管理ニュース
注目を集める事件などで、当事者や全く無関係の人をインターネット交流サイト(SNS)を通じ、中傷するケースが後を絶たない。思い違いによる投稿がほとんどで、逮捕者も出るなど問題化している。
千葉県警は8月、山梨県のキャンプ場で行方不明になった小学生の母親のSNSアカウントに「お前が犯人だろ。殺すぞ」と投稿したとして、脅迫容疑で静岡県の30代男を逮捕。男は「SNSを見て母親が犯人だと思い、感情的になった」と供述した。
神奈川県内の東名高速道路で2017年、あおり運転を受けた夫婦が死亡した事故をめぐっては、被告とは関係のない北九州市の会社を勤務先として名指しし、中傷する投稿が相次いだ。数人が起訴されるなどし、福岡地裁小倉支部は今月、名誉毀損(きそん)罪に問われた50代男を罰金30万円とした。
茨城県内の常磐道で昨年8月、乗用車の男性があおり運転をされた事件でも、被告の同乗者として無関係の女性がやり玉に挙がった。女性を容疑者扱いするなどした投稿がSNSなどに多数書き込まれたといい、投稿者には愛知県豊田市議も含まれていた。
市議は辞職に追い込まれ、「犯人が早く捕まればとの思いから、事実確認をしなかった」と経緯を説明。東京地裁は今年8月、女性の社会的評価を低下させたとして賠償を命じた。
(ニュース提供元:時事通信社)
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