【バンコク時事】タイの首都バンコクに隣接するサムットサコン県の海鮮市場で新型コロナウイルスの集団感染が発生した。感染者は初めて確認された17日以降、1200人以上に拡大。大半はミャンマーの出稼ぎ労働者だった。感染を抑え込んでいたタイで突然発生した大規模な集団感染に、国民の間で緊張が高まっている。
 タイの累計感染者は23日時点で5762人となり、1週間で35%増えた。プラユット首相は22日夜、テレビを通じた国民向け演説で「感染の急拡大を招いた主な原因は不法入国者」と断言。8月以降、感染が急速に広がるミャンマーから労働者が不法入国し、隔離を経ないままタイで活動して拡散させたという見方を示した。
 タイでは今月初め、隔離を逃れるため、ミャンマーから川を渡るなどして不法に帰国したタイ人の間で感染が広がり、問題になっていた。
 タイ湾に面するサムットサコン県の海鮮市場は、各地から水産業者が仕入れに訪れる。海鮮市場を原因とする感染者はサムットサコン県周辺だけでなく、北部や東北部、南部の各県で確認されており、全国に広がる勢いを見せている。
 感染拡大を受け、各地で学校が閉鎖され、年末年始の催しが中止になった。政府は24日に対策本部の会合を開き、人の移動が活発化する年末年始を前に、感染の抑え込みへ新たな対策を決める。
 タイでは1月に中国以外で初めてとなる感染者が確認され、3月には感染が急拡大した。その後、経済活動や移動を厳しく規制した結果、5月以降は市中感染を抑え込んでいた。 
〔写真説明〕タイの海鮮市場で行われた新型コロナウイルスの検査=19日、バンコク近郊サムットサコン県(AFP時事)
〔写真説明〕タイの海鮮市場で商品を運ぶ移民労働者たち=19日、バンコク近郊サムットサコン県(EPA時事)
〔写真説明〕22日、新型コロナウイルスの集団感染に関し、テレビを通じて国民向けに演説するタイのプラユット首相(タイ首相府提供)

(ニュース提供元:時事通信社)