2020/12/25
防災・危機管理ニュース
厚生労働省は25日、英国から羽田空港と関西空港に到着した10歳未満~60代の男女5人から、新型コロナウイルスの変異種が確認されたと発表した。各空港での検疫の結果、英国で流行が広がる感染力が強い変異種と同様と分かった。変異種の確認は国内初で、国立感染症研究所などが詳しく調べている。
世界保健機関(WHO)によると、英国の変異種は従来種よりも感染力が最大70%強いが、重症化したりワクチンの有効性に影響を与えたりする証拠は見つかっていない。
厚労省によると、5人は18~21日、羽田と関空に直行便で到着した。羽田は60代と10代の男性、関空が40代の男女と10歳未満の男児で、この3人は同じ便に搭乗していた。このうち60代男性が倦怠(けんたい)感を訴えたほかは、いずれも無症状という。5人の濃厚接触者は確認されていない。
厚労省は5人の国籍や居住地を公表していないが、これまでに同省が空港検疫で確認した感染者の発表によると、60代男性は東京都在住、関空に到着した3人は大阪府在住とみられる。
25日夜に緊急記者会見した田村憲久厚労相によると、5人は宿泊施設に滞在している。厚労相は「空港検疫で陽性と分かっており、国民への接触は考えられない」と述べた。
変異種は南アフリカでも見つかっており、政府は同国と英国からの入国者に対する対策を26日から強化する。入国から3日間、宿泊施設で待機した上で、4日目に改めて検査を実施し、陰性でも自宅などで14日間の待機を求める。英国からの航空便の新規予約も1週間停止する。
英国と同じ変異種はイタリアやオランダ、デンマーク、香港などでも確認されており、世界中に拡大した恐れも指摘されている。
〔写真説明〕国内で初めて新型コロナウイルスの変異種が確認され、記者会見する田村憲久厚生労働相=25日夜、厚労省
(ニュース提供元:時事通信社)

防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
資金繰り支援頼みでギリギリ経営を維持負債増えるも売上なし 春先の息切れ懸念
新型コロナ関連の経営破たん件数は、昨年9月以降1カ月90~100件超の高い水準で推移。2月も最多の発生ペースを更新している。緊急事態宣言解除が見送られ、外出自粛や時短要請が引き続き売上を圧迫。年度末を控え、息切れ企業の増加で倒産はさらにピッチを上げる可能性が高い。リレーインタビュー第4弾は中小企業の経営環境について。
2021/02/22
-
社内で負傷者が発生したら助けることができますか?
リスク対策.comが行った地震シミュレーションアンケートの結果から、災害対策のポイントを学ぶシリーズ2回目は救助救命です。このシリーズが終わる頃には、きっと自分たちの防災やBCPのレベルが向上しているはずです!
2021/02/18
-
緊急事態宣言中におけるリモートでの災害対策本部
リスク対策.comがメールマガジン読者らを対象に行ったアンケート調査によると、「緊急事態宣言中に災害が発生した際、リモートで災害対策本部を運営することを考えているか」との問いに対し、「検討し、訓練も実施している」と答えたのは18%にとどまった。アンケートは、2月8日にメールマガジンで配信し、その日のうちに35の有効回答を得た。
2021/02/13