【北京時事】中国軍は今年、海軍を中心に公開活動を昨年の約1.5倍に急増させた。トランプ米政権との対立が深まる中、米軍に対抗し、南シナ海や台湾周辺で軍事演習を頻繁に実施。中央軍事委員会の指揮下にある海警局の艦艇も沖縄県・尖閣諸島周辺で日本領海への侵犯を繰り返した。
 米戦略国際問題研究所(CSIS)のウェブサイト「アジア海洋透明性イニシアチブ」によると、今年2~11月にインド太平洋地域で実施したと公式に伝えられた海空戦力による演習やミサイル発射などの中国軍の活動は、昨年同期より21回増の65回に上った。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で4~6月は昨年より少なかったが、7月に米中が互いの総領事館を閉鎖した後、急増した形となった。
 統計には公式発表されていない中国軍機による台湾周辺の飛行や陸上の動きは含まれておらず、実際はもっと多くの活動が行われた。「戦争準備」を呼び掛ける習近平国家主席(中央軍事委主席)の方針を反映した一年だったといえる。
 背景には、海軍の急激な規模拡大がある。米海軍情報当局は今年2月、中国海軍の艦艇数が2015年の255隻から350隻に達したと推定。今年中に360隻、30年には425隻に増えると分析した。
 最近は大型艦の建造が目立ち、昨年12月に中国初の国産空母「山東」(推定排水量約5万トン)が就役した。上海で建造中の2隻目の国産空母(同約8万トン)は来年進水すると予想されている。また、強襲揚陸艦075型(同約4万トン)は2隻目が今年4月に進水。075型は急速に建造が進み、25年までに計8隻になるという観測が出ている。
 既に中国海軍は艦艇数では米軍を抜き世界一。しかし、兵器の性能や兵士の練度は米軍に水をあけられている。習指導部は「国防の実力は国際的地位、国家安全戦略の要求に達していない」と判断し、軍備拡張を続ける方針だ。
 今年10月に開かれた共産党の重要会議は、軍創設100年に当たる27年に「奮闘目標を実現する」と決めた。台湾に武力侵攻する場合に米軍の介入を阻止できる軍事力の獲得を目指しているもようだ。 
〔写真説明〕中国初の国産空母「山東」=2018年5月、大連(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)