新型コロナウイルス変異種への感染が判明した50代女性は、英国から帰国した際の空港検疫をすり抜けており、日本が力を入れてきた「水際対策」の限界が明らかになった形だ。検査精度には一定の限界もあり、やむを得ない面もあるが、今回のケースは氷山の一角で、変異種は既に無症状者らを通じて拡大している恐れもある。
 厚生労働省によると、女性は13日に帰国した。空港検疫では、ウイルス特有のたんぱく質(抗原)を調べる抗原検査が行われ、2種類ある検査のうち高精度のタイプが採用されている。ただ、ウイルスの遺伝子を増幅して検出するPCR検査には劣るとされる。
 新型コロナの感染から発症までの潜伏期間は、大半が1~6日程度とされる。しかし、感染初期は抗原量が少ないため、空港検疫では感染者を正しく陽性と判定できず、感染者を見逃すリスクは指摘されてきた。厚労省幹部は「すり抜けと言われればそれまでだが、抗原検査を行っている以上は、今回のようなケースは想定していた。そうした漏れを補うために14日間の待機をお願いしているので問題はない」と説明した。