インドの新型コロナウイルス累計感染者は1000万人を超え、米国に次いで多い。医療崩壊を懸念し、3月下旬に厳しい外出禁止措置を伴う全土封鎖を開始したが、経済的影響に配慮し、わずか1カ月ほどで段階的な緩和に方針転換。今度は人の移動規制がうまくいかず、9月中旬には1日の新規感染者が10万人近くに達した。
 全土封鎖により、人口の6割を占める貧困層を中心に打撃が広がった。経済活動が停止し、職を失った大都市への出稼ぎ労働者は、公共交通機関が運休している状況で規制の目をかいくぐり、故郷を目指した。40度を超える猛暑の中、徒歩で数百~1000キロ歩く人も多かった。
 道半ばで息絶える悲劇も次々に報じられ、モディ首相は「私を許してほしい」と異例の謝罪に追い込まれる事態に。反発を恐れた政権は徐々に規制を緩和し、出稼ぎの貧困層が故郷に帰るための交通手段まで提供した。