2021/01/05
防災・危機管理ニュース
【イスタンブール時事】サウジアラビア政府は4日、2017年に断交したカタールに対する空域と陸海国境の封鎖を同日解除すると決定した。両国の和解を仲介したクウェートが発表した。5日にサウジ北西部ウラーで開かれる湾岸協力会議(GCC)首脳会議にはカタールのタミム首長も出席し、関係修復をうたう文書への調印が行われる見通し。
サウジは17年6月、「テロ支援」を理由にカタールとの断交を突如発表。サウジと関係が深いバーレーン、アラブ首長国連邦(UAE)、エジプトがこれに同調した。封鎖解除を受け、サウジなど4カ国とカタールの国交回復への動きが一気に加速しそうだ。
国営サウジ通信によると、断交を主導したとされるサウジのムハンマド皇太子は、今回の首脳会議が「結束を固め、立場を統一する」機会になると強調した。孤立を深めたカタールがサウジと関係が悪いイランやトルコに接近する中、軌道修正を図ったとみられる。これを機にカタールがイランと距離を置けば、核開発で米国の制裁下にあるイランに打撃となる。
サウジとカタールの和解をめぐっては、トランプ米大統領の娘婿であるクシュナー大統領上級顧問が両国を訪れるなどし、双方の説得に当たっていた。昨年、イスラエルとUAEなどアラブ諸国の関係正常化を相次いで実現させたトランプ政権は、今月20日の政権交代を前に駆け込みで、中東地域における新たな外交成果を得た形だ。
(ニュース提供元:時事通信社)
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