【ソウル時事】北朝鮮の最高指導者、金正恩氏が朝鮮労働党大会で「総書記」に選出された。総書記は父の金正日氏や祖父の金日成氏も党トップとして就任したポスト。国際社会の制裁や新型コロナウイルス対策などで経済的な苦境に直面する中、神格化された祖父や父と同じ地位に就くことでさらなる権威付けを図り、求心力を維持する狙いがあるとみられる。
 2011年12月の正日氏死去後に最高指導者となった正恩氏は、父を「永遠の総書記」と呼び、自らは総書記のポストに就かなかった。党トップの肩書として「第1書記」を使用し、16年の党大会では「党委員長」を新設した。しかし、今回の党大会では規約を改正し、廃止していた「書記局」を復活させ、正恩氏は「党の首班」としての「総書記」に推戴された。
 党大会における総書記推戴の「決定書」は、正恩氏について「国家核戦力完成の歴史的大業を立派に実現して祖国を世界的な軍事強国に変えた」などと「業績」を列挙。「革命の唯一無二の継承者、指導者」と正統性を強調し、「全会一致」での推戴を訴えた。
 今月下旬に開催予定の最高人民会議では、正恩氏が国家のポストとして兼務する国務委員長の肩書が「国家主席」などに変更される可能性もある。
 一方で、昨年、韓国の文在寅政権を非難し、南北共同連絡事務所の爆破を主導するなど対外的に存在感を強めてきた正恩氏の妹、金与正氏は政治局員候補から外れ、公式的な立場は弱まった形だ。ただ、正恩氏の最側近として活動する姿は変わっておらず、韓国の北朝鮮専門家は「正恩氏の決定次第でいつでも公式的な地位は上がり得る」との見方を示した。 

(ニュース提供元:時事通信社)