【クアラルンプール時事】マレーシアのアブドラ国王は12日、新型コロナウイルス感染拡大阻止のため全土に非常事態宣言を発令した。8月1日までの発令中は国会が停止し、政府の権限が強くなる。あらゆる選挙も実施できないため、権力基盤が脆弱(ぜいじゃく)なムヒディン首相が政権維持のため宣言を利用したと疑われている。
 マレーシアでは、昨年12月の国内旅行などの解禁をきっかけに、新型コロナの感染者が1日当たり2000~3000人で推移。医療体制も逼迫(ひっぱく)している。
 ムヒディン氏は12日の演説で「非常事態宣言下でも経済活動は継続される」と強調した。ムヒディン政権はコロナ禍だけでなく、与野党からの倒閣運動にもさらされている。既に新型コロナ対策は国内旅行禁止や店内飲食禁止など個別に強化しており、今回の宣言発令には「政治的な思惑がある」と国民の視線は厳しい。 

(ニュース提供元:時事通信社)