2021/01/13
防災・危機管理ニュース
政府は13日夜、新型コロナウイルス感染症対策本部(本部長・菅義偉首相)を首相官邸で開き、緊急事態宣言の対象区域に大阪、京都、兵庫、愛知、岐阜、福岡、栃木の7府県を追加することを決めた。期間は14日から2月7日まで。既に発令している首都圏4都県と合わせ、対象は三大都市圏を含む11都府県に広がる。
首相はこの後の記者会見で、区域追加について「厳しい状況を好転させるためには欠かせない措置」と強調。「東京圏、関西圏、中部圏、福岡県、大都市として人口が集中しており、全国に感染が広がる前に対策を講じる必要がある」と説明し、「効果は必ず出てくる」と訴えた。
首相は国民に対し「不要不急の外出は日中も控えてほしい。昼間の時間帯や夜8時までについても、お酒を飲んで大きな声を出す、距離を取らずに座るなど感染リスクの高い飲食を避けてほしい」と要請。「2月7日までの間、徹底して行動を見直してほしい」と協力を呼び掛けた。一方、さらなる対象区域の追加の有無に関しては回答を避けた。
宣言は新型コロナ対策の特別措置法に基づく。対象区域の知事は、飲食店に午後8時までの営業時間短縮を要請。応じた店舗には1日最大6万円の協力金を支払う。応じなければ店名の公表が可能となる。
首相は11都府県との連携強化に向け、政府との連絡会議を新設すると表明。「国として最大限必要な支援を行っていく」と述べた。「(宣言)対象地域以外にも、宣言に準ずる措置として飲食店の時間短縮など同じ対策を講じる場合は、国として宣言の対象地域と同じ支援を行う」と語った。
新たに加わる7府県について、政府はいずれも、新規感染者数が急増し、医療提供体制が逼迫(ひっぱく)していると判断した。
政府は13日午後、専門家による基本的対処方針等諮問委員会から意見を聴取。その後、西村康稔経済再生担当相が衆参両院の議院運営委員会に事前報告した。
〔写真説明〕新型コロナウイルス感染症対策本部で、緊急事態宣言の対象区域に7府県を追加することを表明する菅義偉首相=13日午後、首相官邸
(ニュース提供元:時事通信社)

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