2021/01/13
防災・危機管理ニュース
新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言の対象に加わった関西などの7府県は、飲食店への営業時間短縮や不要不急の外出自粛を要請するなど対策を強化する。吉村洋文大阪府知事は医療崩壊の危機を訴え、「(要請で)飲食店に非常に大きなダメージが出るのは承知しているが、社会経済のリスクを最小限に抑えるためにも、ぜひ協力をお願いしたい」と呼び掛けた。
大阪府は、大阪市内の酒類提供飲食店に行っていた時短要請を14日から府内全域の飲食店に拡大。閉店時間も午後9時から午後8時に早める。応じた場合は1店舗1日6万円の協力金を支給。劇場や映画館、博物館などにも午後8時までの営業を働き掛けるが、協力金は出さない。京都府と兵庫県も府県全域で大阪と同様の措置を講じる。
愛知県は県内の酒類提供飲食店に行っていた時短要請を18日から1時間早め、午後8時にするほか、全ての飲食店に拡大する。協力金は大阪などと同じ1日6万円。大村秀章知事は「寒くて乾燥する厳しい時期が続く。感染症をしっかり抑え込み、ワクチン接種までなんとか乗り切りたい」と述べ、感染防止対策の徹底を呼び掛けた。
岐阜県は、県独自に非常事態を宣言し、午後8時までの時短要請を行ってきた。国の宣言対象地域に追加されたことに伴い、時短要請を「酒類を提供する飲食店」から、午後8時以降も営業する全ての飲食店に拡大。要請に応じた店舗への協力金も1日当たり4万円から6万円に引き上げる。
福岡県は7府県の中で唯一、県からの要請ではなく、政府が決める形で対象になった。他府県と同様に飲食店に時短営業などを要請する。小川洋知事は「県民に改めて協力をお願いするのは心苦しいが、(対象地域に)なった以上は、とりわけ午後8時以降の外出自粛や事業者の営業時間短縮を徹底してもらい、一日も早くこの状況を脱却していきたい」と述べた。
栃木県も、飲食店に午後8時までの時短営業などを要請する。福田富一知事は、同県が対象に加わったことについて「県民に対する強いメッセージとなり、要請内容がより実効性が高くなるものと考えている」と語った。
〔写真説明〕緊急事態宣言の発令を控え、記者会見で大阪府民への要請内容を説明する吉村洋文知事=13日午後、大阪市中央区
〔写真説明〕取材に応じる京都府の西脇隆俊知事=13日午後、京都市上京区
〔写真説明〕記者会見する愛知県の大村秀章知事=13日夜、同県庁



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