茂木敏充外相は18日の衆参両院本会議で外交演説を行った。日米同盟を「インド太平洋地域の平和と繁栄の礎」と位置付け、20日に発足する米国のバイデン次期政権とその強化に取り組む考えを表明。「自由で開かれたインド太平洋」構想実現に向け、欧州や中東、アフリカを含む幅広い地域へ協力の輪を広げる方針を打ち出した。
 茂木氏は、日本政府に元慰安婦への賠償を命じた韓国地裁判決を取り上げ、「国際法上も2国間関係上も到底考えられない異常事態」として遺憾の意を表明。徴用工訴訟を契機に冷え込んだ日韓関係は「さらに厳しい状況に陥っている」との認識を示した。
 一方で、不透明感を増す北朝鮮情勢への対応では日米、日米韓の連携が重要だと指摘。中国やロシアなど関係国と協力し、朝鮮半島の非核化や日本人拉致問題の解決を目指すと訴えた。
 沖縄県・尖閣諸島沖の領海侵入を繰り返す中国に対し、「一方的な現状変更の試みは断じて認められない」とけん制。地域と国際社会の安定のため、首脳間や外相間の対話を通じて中国側に「責任ある行動」を促していく意向も示した。
 暗礁に乗り上げているロシアとの北方領土交渉については、「1956年の日ソ共同宣言を基礎に交渉を加速させる」とした安倍晋三前首相とプーチン大統領の合意を引き継ぎ、粘り強く対話を続けると主張した。
 また、新型コロナウイルス感染収束後の世界を見据え、「自由で公正な秩序、ルールの構築に向け、日本がより一層主導的な役割を果たす」と強調。世界貿易機関(WTO)改革や、国際機関で活躍する日本人の増加に取り組む方針も示した。 

(ニュース提供元:時事通信社)