今冬の記録的な大雪による北海道と東北、北陸の死者が、10道県で計70人に達したことが時事通信の集計で分かった。除雪作業中に屋根から転落するなどの事故が多く、70歳以上が48人と約7割を占めた。降雪が短期間に集中したことや、豪雪地帯の過疎化、高齢化が背景にあるとみられ、自治体の担当者は「雪下ろしは近所に声を掛け、なるべく2人以上で」と呼び掛けている。
 気象庁によると、今冬は降雪量が非常に少なかった昨冬と異なり、昨年12月14~21日と12月30日~今年1月3日、1月7~11日の計3回大雪が降った。死者数は昨年12月14日から今年1月20日までの期間を対象に、各地の自治体や警察への取材を基に集計した。
 死者が最も多かったのは新潟県で14人。次いで秋田県の13人、北海道10人、山形県9人などと続いた。年代別では70代が24人、80代以上も24人で全体の約7割を占めた。
 原因別では、雪下ろし中の転落や除雪機に巻き込まれる事故、体調不良など除雪作業中が多かった。集計の対象外だが、今月19日には宮城県内の東北自動車道で地吹雪による約140台の多重事故が起き、1人が死亡、18人が重軽傷を負った。
 自治体の担当者は、例年より早く短期間に大量の雪が降ったことも一因と指摘する。4人が死亡した秋田県湯沢市の担当者は「今冬の降り方は特異。業者を頼んでも1カ月待ちで、お年寄りも自力でやるしかなかった」と話す。
 秋田県総合防災課の担当者は「年末年始に家族が帰省できず、雪下ろしができなかった」と新型コロナウイルス感染拡大の影響を示唆。「高齢化で雪下ろししてくれる人も減り、社会全体の問題だ」と話した。
 新潟県の担当者は「雪国の人にとっては毎年の作業だが、ヘルメットをかぶるなど安全対策を守っていれば、死亡しなかった事例もあるはずだ」と強調。「1人だと事故時の発見も遅れてリスクが高まる。やむを得ない場合でも、近所に声を掛けるなどの対策をしてほしい」と訴えた。 
〔写真説明〕道路脇に雪が高く積み上げられた秋田県横手市の中心部=4日(同市提供)

(ニュース提供元:時事通信社)