【バンコク時事】ミャンマー国軍系のミャワディ・テレビは1日、全土に非常事態宣言が発令され、国軍のミン・アウン・フライン総司令官が全権を掌握したと報じた。与党・国民民主連盟(NLD)筋によると、国軍はアウン・サン・スー・チー国家顧問やウィン・ミン大統領を拘束。同筋は「国軍によるクーデターが発生した」と非難した。
 国軍はNLDが圧勝した昨年11月の総選挙後、初めてとなる国会が1日に招集されるのを前に、総選挙で不正があったと繰り返し抗議していた。ミャワディ・テレビによれば、選挙管理委員会が不正に対処しなかったとして、1年間の期限で非常事態宣言を発令。暫定大統領に指名された元国軍幹部のミン・スエ副大統領がミン・アウン・フライン総司令官に立法・行政・司法の全権を授けた。
 国軍系を除くテレビ局は放送を中断し、電話やインターネットはつながりにくくなっている。ロイター通信によると、最大都市ヤンゴンの市庁舎周辺には兵士が展開した。
 上下両院の議席を争った総選挙では、NLDが改選476議席の8割を超す396議席を獲得。最大野党で国軍系の連邦団結発展党(USDP)は33議席にとどまった。
 スー・チー氏は軍事政権下で民主化運動を率い、長年にわたって自宅軟禁生活を強いられた。2015年の前回総選挙でNLDが大勝し、事実上の国家指導者に就任。重要公約だった憲法改正や少数民族武装勢力との和平を実現できず、昨年の総選挙は苦戦が予想されたものの、前回を上回る圧勝を果たし、続投を確実にしていた。
 国軍は1月31日、「総選挙で1050万件を超す不正があった可能性がある」と批判する声明を発表。「国軍は自由で公正な選挙、永続的な平和のため、可能なあらゆることを実行する」と警告していた。 
〔写真説明〕ミャンマーのアウン・サン・スー・チー国家顧問=1月27日、ネピドー(AFP時事)
〔写真説明〕ミャンマー総選挙の結果について調査を求める国軍の支持者たち=1月30日、ヤンゴン(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)