【バンコク時事】ミャンマー国軍は1日、クーデターを実行し、1年間の非常事態宣言を全土に発令した。全権を掌握した国軍はアウン・サン・スー・チー国家顧問やウィン・ミン大統領ら政権幹部を拘束。スー・チー氏は「国軍の行為は独裁体制への回帰を目指している」と批判し、「クーデターを受け入れてはならない」と国民に訴える声明を出した。欧米各国はスー・チー氏らの拘束を強く非難している。
 与党・国民民主連盟(NLD)幹部によると、スー・チー氏は首都ネピドーの自宅に軟禁されている。同氏は声明で「クーデターに強く反対してほしい」と国民に抵抗を呼び掛けた。
 国軍系テレビによれば、ミン・アウン・フライン総司令官が立法・行政・司法の権限を掌握し、副大統領2人のうち、国軍出身のミン・スエ副大統領が暫定大統領に指名された。国軍はNLDが圧勝した昨年11月の総選挙で大規模な不正があったと主張。「複数政党による自由かつ公正な総選挙」を改めて実施し、勝利した政党に権限を移譲すると強調した。総選挙の時期は示していない。
 国軍主導の体制が半世紀以上続いたミャンマーでは、2015年の総選挙でNLDが大勝し、歴史的な政権交代を実現した。今回の政変で、民主化が再び後退する恐れが強まっている。
 ミャンマーでは国軍系を除くテレビ局は放送を中断された。国営放送はフェイスブックで「技術上の問題でテレビとラジオの通常放送ができない」と伝えた。また、電話やインターネットはつながりにくくなっている。ミャンマー銀行協会は、通信の問題から全銀行を閉鎖すると発表した。 
〔写真説明〕1日、ミャンマーの首都ネピドーで、国会に通じる道路を警備する兵士(AFP時事)
〔写真説明〕ミャンマー国軍のミン・アウン・フライン総司令官(左)とアウン・サン・スー・チー国家顧問=2015年12月、ネピドー(EPA時事)

(ニュース提供元:時事通信社)