政府が米製薬大手ファイザー製新型コロナウイルスワクチンの国内輸送事業者に、ヤマトホールディングスなど日独の運輸大手3社を選定したことが8日、分かった。政府は17日にも医療従事者に接種を始め、順次対象を広げる計画。3社が全国の市区町村に超低温で輸送する。
 3社はヤマトのほか、西濃運輸(岐阜県大垣市)を傘下に置くセイノーホールディングス、国際物流大手の独DHL。政府が確保した冷凍倉庫から自治体の保存・接種拠点への輸送や物流管理を担う。北海道や沖縄県など空輸が必要な地域を除き、原則的には陸送となる。ワクチンは零下70度程度での管理が必要で、1包装の重さは保冷剤を含めて十数キロとする。
 ヤマトは別の試薬で超低温輸送を検証しており、この手法をコロナワクチンにも活用する。セイノーは地域物流に強く、DHLは米欧のワクチン流通網の中核として実績を持つ。接種事業を進める厚生労働省や経済産業省、国土交通省は3社の特色を生かし、自治体にワクチンを円滑に届けたい考えだ。
 政府は、ファイザーと年内にワクチン1億4400万回(7200万人)分の供給を受ける契約を結んでいる。最初のワクチンは、ベルギーのブリュッセルから全日本空輸便で14日に成田空港に到着する予定だ。厚労省が15日に正式承認した後、まずは医療従事者1万~2万人を対象に、首都圏や大阪府、兵庫県、福岡県、愛知県など全国約100カ所の病院で先行接種する。
 また、厚労省は自治体向けにワクチン輸送を安全に進めるための指針をまとめる。ワクチンの品質を維持するため、市区町村が接種会場などへ運ぶ際、振動に注意するよう促す方針だ。 
〔写真説明〕米製薬大手ファイザーが開発した新型コロナウイルスワクチン(AFP時事)