2021/02/10
防災・危機管理ニュース
海上自衛隊の潜水艦「そうりゅう」と民間商船が高知県沖で衝突した事故で、第5管区海上保安本部(神戸市)は10日、香港船籍の貨物船「オーシャンアルテミス」(5万1208トン)の水面下の船首付近に、亀裂や多数の擦過痕が確認されたと発表した。これまでの調査から両船が接触した可能性が濃厚となり、高知海上保安部が業務上過失往来危険や業務上過失傷害の疑いで捜査する。
同本部によると、擦過痕などがあったのは、「バルバスバウ」と呼ばれる船首部分の水面下にある球状の突起付近で、8~13メートルの範囲に広がっていた。亀裂は長さ約20センチで、船内に海水がにじむ程度の深さだった。船体に付着した塗膜片も採取しており、そうりゅうのものと一致するか鑑定する。
この日は神戸港沖に停泊するオーシャンアルテミスに潜水士を派遣し、午前9時半に調査を開始。船底の損傷状況などを確認し、乗組員からも話を聴いた。
一方、運輸安全委員会も同日、原因究明のため、高知港沖に停泊するそうりゅうの現地調査を開始。艦橋右側面にある「潜舵(せんだ)」と呼ばれるかじが折れ曲がった状況を目視で確認したほか、一部乗員への聴取を実施した。今後1年をめどに調査報告書をまとめる。
〔写真説明〕海上自衛隊の潜水艦「そうりゅう」と衝突した際に生じたとみられる貨物船「オーシャンアルテミス」の船首付近の擦過痕=10日(第5管区海上保安本部提供)
(ニュース提供元:時事通信社)

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