政府は2日、大型台風の接近時に船舶の湾内からの退去を勧告、命令できる海上交通安全法などの改正案を閣議決定した。東京湾などでは、いかりを投じたまま強風で船が流される「走錨(そうびょう)」で橋などに衝突する事故が相次ぎ、早めの避難を促して安全確保につなげる狙いがある。
 海上保安庁によると、湾内からの退去はこれまで行政指導で対応していたが、強制力はなかった。改正案では、船が多く行き来する東京湾や伊勢湾、瀬戸内海で、大型船や風の影響を受けやすい船への退去の勧告、命令が可能になる。海上空港や火力発電所といった施設の周辺海域で、いかりを下ろして停泊する「錨泊(びょうはく)」も制限。命令に従わない場合の罰則も検討している。
 走錨した船などが航路標識を損壊した場合、復旧費を船側に負担させる制度も新設する。 
〔写真説明〕台風の影響で関西国際空港連絡橋(奥)に衝突し、えい航されるタンカー(中央)=2018年9月5日(時事通信社ヘリコプターより)

(ニュース提供元:時事通信社)