政府は新型コロナウイルス対策で首都圏4都県に発令している緊急事態宣言について、期限の7日をもって解除することを目指している。菅義偉首相は2日夕、関係閣僚と協議。記者団に4都県を一体で判断する考えを示し、「最終的に私が判断したい」と述べた。自治体や感染症専門家からは解除に慎重論も出ている。
 「宣言以降、新規感染者が下がっていることも事実だ。ぎりぎりまで状況を見たい思いもある」。立憲民主党の泉健太氏から速やかな方針決定を求められた首相は2日の衆院予算委員会でも、首都圏の新規感染者数などのデータを見極める考えを示した。
 内閣官房の資料(1日時点)によると、東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県では、直近1週間の新規感染者数が宣言解除の判断基準となるステージ3相当の「人口10万人当たり15人」を下回っている。経済への打撃を食い止めるため、首相ら官邸幹部は7日での解除に意欲的だ。
 一方、2月中旬以降、新規感染者数の減り方は鈍化傾向で、一部では増加の兆しすらある。千葉県では1日の新規感染者数が東京都を上回り、病床の逼迫(ひっぱく)状況も宣言が必要なステージ4相当に上った。森田健作知事は「解除は非常に難しい。延長も頭に入れなければ」と危機感をあらわにした。
 東京都の小池百合子知事も2日、記者団に「もう一段(対策の)ギアを上げないと間に合わないとの分析もある」と述べた。
 専門家も慎重な構えを崩していない。昨年の緊急事態宣言解除の基準だった「10万人当たり0.5人以下」と比べれば、現状の新規感染者数はピーク時から大幅に減ったとはいえ、なお高水準だ。強い感染力が指摘される変異ウイルスの確認も相次いでおり、政府の新型コロナ対策分科会メンバーは「大幅に感染者を減らさなければリバウンド(感染再拡大)が起きる」と警戒する。
 政府は3日以降、厚生労働省の専門家組織会合を開催し、各知事の意向も考慮しつつ、5日に解除の可否を正式決定する方針だ。地域を絞って強制力のある対策が可能な「まん延防止等重点措置」への移行も排除していない。だが、解除慎重論が勢いを増せば、難しい判断を迫られそうだ。 
〔写真説明〕衆院予算委員会に臨む菅義偉首相=2日午前、国会内

(ニュース提供元:時事通信社)