【ブリュッセル時事】イタリア外務省は4日、英製薬大手アストラゼネカ製の新型コロナウイルスワクチンについて、オーストラリア向けの輸出を差し止めたと明らかにした。欧州連合(EU)やイタリア国内向けの供給に支障を来すと判断した。欧州委員会も認めた。
 EUが1月末に導入したワクチン輸出規制で実際に差し止めが明らかになるのは初めて。日本もアストラゼネカ製の一部を輸入で調達する予定で、コロナワクチンの円滑な供給に対する懸念が広がりそうだ。
 差し止めたのは先月24日に輸出承認の申請があった25万700回分。伊外務省は声明で、豪州をコロナ対応における「脆弱(ぜいじゃく)国」と見なせないことや、「EUとイタリアでのワクチン不足の継続とアストラゼネカからの供給遅れ」などを理由に挙げた。
 輸出規制は、アストラゼネカが1月にEU向け供給を当初計画から大幅削減すると通知したことを受けて導入された。製薬各社に契約通りワクチンを供給させる狙いで、EU域内で製造されたワクチンの域外輸出を事前承認制とした。
 日本が現在ベルギーから輸入している米製薬大手ファイザー製ワクチンも規制対象だが、現時点では供給に問題は生じていない。 

(ニュース提供元:時事通信社)