新型コロナウイルスの感染拡大に伴う首都圏1都3県の緊急事態宣言の再延長で、景気下支えに向けた追加の財政出動を求める与党からの圧力が一段と強まりそうだ。与党内では、低所得者支援の拡充などを盛り込んだ追加経済対策を要求する声が噴出。政府は2020年度に確保したコロナ対策予備費の残額(2.7兆円)や、21年度予算案に計上した予備費5兆円の活用を念頭に置く。
 菅義偉首相は5日夜、再延長の決定後に記者会見し、厳しい経済情勢を踏まえ、「生活資金、雇用調整助成金など、できる限りの支援を継続する」と強調した。
 政府は昨年4月に続き、12月に財政支出40兆円の経済対策をまとめ、関連経費を20年度第3次補正予算と21年度予算案に計上した。しかし、年明けの緊急事態宣言の再発令を前提としていないため、「極めて不十分」(野党議員)などと批判を浴びている。西村康稔経済財政担当相は1日の衆院予算委員会で「(経済の)状況を見ながら必要な対策を機動的に講じていきたい」と説明した。
 一方、自民党の議員有志は今年2月、生活困窮者への10万円の特別定額給付金の再支給や、児童扶養手当の特別増額などを盛り込んだ追加経済対策を下村博文政調会長に提言した。同党内では「財政支出はまだまだ足りない」(中堅議員)と大胆な対策を求める意見が広がる。
 ただ、20年度の新規国債発行額が空前の112兆円超に達し、21年度予算案も借金頼みの構図が続いている。このため、財務省は財政の急激な悪化を強く懸念し、さらなる歳出膨張には否定的な姿勢を崩していない。 

(ニュース提供元:時事通信社)