【フランクフルト時事】ユーロ圏各国では、変異した新型コロナウイルスの感染拡大が本格的な経済活動再開を妨げている。欧州中央銀行(ECB)は11日に開く定例理事会で、企業や家計の資金繰りを引き続き支援するため、現在の金融緩和策を維持する見通しだ。一方、最近の長期金利上昇は新たな懸念材料で、記者会見などで言及があるか注目される。
 ドイツでは新規感染者数が昨年末のピーク時から大幅に減り、小売店などの営業規制を8日から段階的に緩和する。ただ、イタリアやフランスも含め、感染力が強いとされる変異ウイルスが脅威となっており、一部地域では飲食店や学校の再閉鎖など規制強化の動きがある。ユーロ圏各国でのワクチン接種は米国や英国に比べ進んでおらず、景気回復の遅れにつながりかねない。
 こうした中で、ユーロ圏の長期金利は2月以降、米景気回復期待を背景に、米長期金利に連動する形で上昇した。ECBはこれまで、金融緩和の効果により域内の資金調達環境は良好と説明してきたが、金利上昇で企業などの借り入れコストが増大し、前向きな投資が妨げられる恐れがある。
 金利上昇について、ECBのラガルド総裁は「注視する」との発言にとどめているが、理事会内には対応を求める声もある。パネッタ専任理事は今月2日の講演で「歓迎できず、対抗する必要がある」と強調。必要ならちゅうちょなく、コロナ対策で設けた1兆8500億ユーロ(約240兆円)の資産購入枠を拡大すべきだと主張した。 
〔写真説明〕欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁=2月8日、ブリュッセル(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)