【北京時事】中国の王毅国務委員兼外相は7日、北京で開会中の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)に合わせてオンラインで記者会見し、「核心的利益が侵害されるのを断じて許さない」と述べ、対中圧力を強める米国をけん制した。王氏の記者会見は1月20日のバイデン米政権発足後初めて。中国への強硬姿勢を崩さない米国に、制裁解除を含む政策変更を求めた。
 王氏は、中国本土と台湾は不可分とする「一つの中国」原則は「越えてはならない一線」で、「台湾問題で妥協の余地はない」と強調。高官の往来や武器売却を進めたトランプ前政権の台湾政策は度を越した「火遊び」だったと非難し、全面的変更を要求した。中国は台湾や香港をめぐる問題を領土・主権に関わる「核心的利益」と位置付け、一貫して干渉を拒否している。
 一方で王氏は、新型コロナウイルス対策や経済回復、気候変動問題などで「中米は協力可能だ」と訴え、国際社会に共通する課題への対処をきっかけとした関係改善に期待感を示した。ただ、こうした協力でも、トランプ前政権が発動した対中追加関税や独自制裁などを念頭に「不合理な制限の早期解除」を前提条件として突き付けた。
 米欧が批判を強めている香港の選挙制度見直しについては「愛国者による香港統治」を確立することは「完全に合憲、合法で合理的だ」と説明し、民主派の排除を正当化。「香港への愛と(中国への)愛国は完全に一致する」と語った。米欧が新疆ウイグル自治区のウイグル族迫害を「ジェノサイド(集団虐殺)」と認定したことに関しても、「でたらめ極まる」と否定した。 
〔写真説明〕7日、北京で、スクリーン越しに記者会見に臨む中国の王毅外相(EPA時事)
〔写真説明〕7日、北京で、スクリーン越しに記者会見する中国の王毅外相(EPA時事)

(ニュース提供元:時事通信社)