【ブリュッセル時事】欧州各国が英製薬大手アストラゼネカの新型コロナウイルスワクチンの接種を相次いで一時停止している。オーストリアで女性が死亡するなど接種後に血栓ができる例が複数報告されていることを受けた動き。11日にはイタリアやデンマークなども「予防的措置」として一部または全ての接種停止に踏み切った。
 欧州連合(EU)欧州医薬品庁(EMA)は11日、接種と血栓の関連に否定的な見解を2日連続で発表。「接種は継続できる」と訴えたが、アストラ製ワクチンへの懸念を払拭(ふっしょく)できなければ、欧州の接種計画に大きな狂いが生じる恐れもある。同社は日本では2月に承認を申請。今月中の供給開始を目指している。
 EMAによると、10日時点で欧州でアストラ製ワクチンの接種を受けた約500万人のうち、血栓塞栓症を発症したのは30人。EMAは現在も調査を続けている。
 オーストリアでは49歳の女性看護師が接種から10日後に死亡。別の看護師も肺塞栓症で入院した。オーストリア当局は7日、同じ製造ロット番号のアストラ製ワクチンの接種停止を発表。バルト3国とルクセンブルクも追随した。
 EMAは10日に「現時点で接種がこれらの病気を引き起こしたと示すものはない」と表明したが、デンマークは11日、自国でも死亡例が1件あったとして全てのアストラ製ワクチンの接種を2週間停止した。「わずかでもリスクの兆候があれば迅速に対応する」と説明し、EMAなどの調査結果を待つ方針を示した。
 ノルウェーも接種を停止。イタリアとルーマニアは一部ロットの使用をやめた。一方、フランスは接種を続行する。 
〔写真説明〕英製薬大手アストラゼネカの新型コロナウイルスワクチン(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)