東京電力柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市、刈羽村)で相次ぐ不祥事が底無しの様相を呈している。16日には核物質防護設備の一部機能が停止し、不正侵入を検知できなかった恐れが新たに発覚。東電は福島第1原発事故に絡む賠償などで約16兆円の負担を背負う。柏崎刈羽原発の再稼働を収益改善の切り札と位置付けてきたが、原子力規制委員会から「組織的な管理機能低下」の烙印(らくいん)を押され、実現は見通せなくなった。
 梶山弘志経済産業相は16日夜に緊急の記者会見を開き、「(規制委から)最も厳しく評価された。このままでは再稼働できる段階にない」と述べた。管理体制の抜本的な改善を抜きに東電と国が目指す再稼働は困難との見通しを示した。
 柏崎刈羽原発では、社員が同僚のIDカードを不正利用して中央制御室に立ち入ったほか、完了と発表した安全対策工事が一部で未完だったことが立て続けに判明している。
 新潟県の花角英世知事はID不正をめぐり「全体に対する信頼の不安感が出るような事案だ」と批判しており、度重なる不祥事で東電の原発運営への不信と疑念が強まるのは必至だ。再稼働に必要な地元同意も一段と難しくなった。 

(ニュース提供元:時事通信社)