対話アプリLINEの個人情報保護に不備があり、利用者情報が中国の委託企業で閲覧できる状態になっていた。自治体は住民へのサービスや情報提供でLINEを多く活用しており、情報確認などに追われている。
 千葉県市川市は17日、LINEを利用した行政サービスの受け付けを一部停止したと発表。市は6種類の申請をLINEで受け付けており、うち住民票や駐輪場使用許可など3種類を停止した。いずれも本人確認で運転免許証など顔写真付きの証明書の画像を市のLINEアカウントに送信する必要があった。
 村越祐民市長は「市の住民情報に直接アクセスすることはできないとのことだが、安全性が担保されるまでは措置を継続する」などとするコメントを発表した。
 新型コロナウイルスのワクチン接種予約をLINEで受け付ける予定の自治体も多い。その一つである神奈川県寒川町の担当者は「真相が分からず、改善策も確実か分からない。安全性が確認されるまで利用できない」として、今後の予約受け付けをウェブとコールセンターに絞る方針だ。
 和歌山市もLINEによる接種予約を検討しており、尾花正啓市長は18日の記者会見で「非常に深刻な事態だ。対策を講じてくれないとLINEは利用できない」と述べた。
 福岡市は18日、市がLINEを活用して市民に提供しているサービスについて、市民が入力する個人情報やトークの内容などは中国からアクセスできる状況にはなかったと発表した。LINEから確認した。安心してサービスを利用してもらうため、市は「引き続き、同社と個人情報を取り扱う受託事業者で適正な個人情報の取り扱いがなされるよう努める」としている。
 三重県教育委員会は2018年からLINEのトーク機能を使い、中高生のいじめ相談などを行っている。現在LINEや委託業者に照会中だが、担当者は「現時点では問題なく運用している」と話す。 

(ニュース提供元:時事通信社)